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白内障/白内障手術

白内障手術とは

当院では週2回、白内障手術を行います

白内障手術は、視力低下の原因となる濁った水晶体を除去し、透明な人工眼内レンズ(IOL)に置き換える手術です。白内障手術は短時間で行われるため、お体への負担が少なく、高い成功率を誇ります。

白内障手術によって視界がクリアに改善することで、日常生活の質が大幅に向上します。

手術の詳細な流れ

1. 準備

手術前には以下の手順で準備を進めます。

  • 詳細な検査:
    視力検査、眼底検査、角膜の形状確認などを行い、手術適応の有無を確認します。
  • 眼内レンズの選択:
    単焦点レンズ、多焦点レンズなど、患者さんのライフスタイルに応じたレンズを選択します。
  • 局所麻酔
    点眼薬による麻酔を行い、痛みを感じない状態にします。場合によっては静脈麻酔を併用することもあります。
2. 切開・水晶体の除去

手術用顕微鏡を使用しながら、角膜または角膜と強膜の境界付近に2.4~2.8mmの切開を行います。切開は非常に小さく、術後の回復が早いのが特徴です。特殊な器具で濁った水晶体の袋(後嚢)を温存しつつ、内容物を取り出します。超音波乳化吸引法を用いて、水晶体を細かく砕いて吸引します。

3. 眼内レンズの挿入

折りたたんだ状態の人工レンズを、専用の挿入器を使って水晶体の袋内に挿入します。レンズは自然に広がり、適切な位置に固定されます。

4. 手術終了

切開部が非常に小さいため、通常は縫合の必要はありません。手術全体の時間は約15~20分です。

手術後のケア

術後の回復を促進し、感染リスクを抑えるため、以下のケアが重要です。

1. 点眼薬の使用
  • 抗菌薬と抗炎症薬の点眼を指示通り使用します。
  • 点眼の頻度や期間は医師の指導に従ってください。
2. 術後1週間の生活管理
  • 清潔管理:
    目を直接触らないよう注意し、洗顔や洗髪は控えます。可能であればガーゼや保護メガネを使用します。
  • 活動制限:
    激しい運動や重い荷物を持つことを避けます。アルコールや喫煙も控える必要があります。
3. 定期検診

術後翌日、1週間後、1ヶ月後に定期検診を行います。異常があれば早期発見が可能です。

術後の経過と注意点

  • 視力の回復:
    術後数日から1週間で視界がクリアになることが多いですが、完全な安定には数週間を要する場合もあります。
  • 後発白内障:
    術後数ヶ月から数年後に、残存した水晶体の袋が濁ることがありますが、これはレーザー治療で比較的簡単に改善できます。
  • メガネ処方:
    術後の視力が安定する1ヶ月以降に行われます。

注意事項

  • 手術直後は車の運転ができないため、付き添いの方に送迎をお願いするか、公共交通機関を利用してください。
  • 術後のケアを怠ると、感染や炎症のリスクが高まるため、指示を遵守することが大切です。

患者さん一人ひとりの状況に合わせた適切な術後ケアが重要ですので、医師の指導に従ってください。

白内障とは

白内障は、目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が濁る病気です。主に加齢が原因で起こることが多く、進行すると視力の低下や日常生活への支障をきたすことがあります。

白内障は、水晶体が白く濁ることで光の通りが悪くなり、次のような症状が現れます。

  • 視界がかすむ、ぼやける
  • まぶしさを強く感じる(特に日差しや車のヘッドライトなど)
  • 物が二重、三重に見えることもある
  • 年齢とともに進行し、徐々に症状が悪化する

初期段階では症状が軽いため気づかないことも多いですが、放置すると視力の低下が進み、生活に支障が出るようになります。

白内障の初期段階は、白内障の進行を抑える目的で点眼薬が処方されます。ただし、濁りを完全に治すものではありません。 白内障が進行し、日常生活に支障が出る場合は手術が必要です。

白内障は進行性の病気ですが、手術によって視力回復が期待できるため、過度に心配する必要はありません。視界のかすみやまぶしさを感じた場合は、早めに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

白内障の主な原因

白内障の原因はさまざまですが、最も一般的なのは加齢です。その他にも以下の要因が挙げられます。

  1. 加齢:
    加齢による自然な老化現象が主な原因です。
  2. 全身疾患:
    糖尿病やアトピー性皮膚炎が原因で水晶体の変化が促進されることがあります。
  3. 外傷:
    目へのけがや衝撃が原因となることがあります。
  4. 先天性:
    生まれつき水晶体が濁っている場合(先天性白内障)。
  5. 薬剤の副作用:
    ステロイド剤の長期使用によって発症することがあります。

白内障の進行メカニズム

水晶体のタンパク質が酸化ストレスによって変性し、透明だった水晶体が徐々に白く濁っていきます。

  • 初期段階:
    水晶体の濁りが軽度で、自覚症状がほとんどないことが多いです。
  • 進行段階:
    濁りが進行し、視力の低下やかすみ目、まぶしさが強くなり、日常生活に支障をきたすようになります。

白内障の予防と注意点

白内障の進行を完全に止める方法はありませんが、以下の対策で進行を遅らせることが期待できます。

  • 紫外線対策:サングラスや帽子で目を紫外線から守る。
  • 生活習慣の見直し:糖尿病などの全身疾患の管理や禁煙を心がける。
  • 定期的な検査:早期発見・早期治療が重要です。

当院では、患者さん一人ひとりの症状や生活に合わせた治療法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。