眼科一般の診療内容
当院では、目に関するさまざまなお悩みや病気の診療を行っております。最新の診断機器を導入し、患者さんのお体に負担をかけずに精度の高い検査が可能です。患者さん一人ひとりに寄り添い、わかりやすい説明と適切な治療方針を心がけております。
日常的な目の症状から慢性的な病気まで、専門的な診断と治療で患者さまの目の健康をサポートいたします。目に関する症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
主な診療内容
視力低下・目のかすみ
- 近視、遠視、乱視、老眼の検査および矯正(眼鏡・コンタクトレンズ処方)
- 目のかすみや疲れ目に関する診断と治療
目の違和感や不快感
- 目の痛み、充血、かゆみ、異物感、乾き目(ドライアイ)
- 涙が出る、目やにが多いなどの症状
アレルギー性結膜炎
- 花粉症を含むアレルギー性の目のかゆみや赤みの治療
結膜炎・ものもらい
- 細菌やウイルスによる結膜炎
- まぶたの腫れや痛み(麦粒腫、霰粒腫)の診断と治療
白内障の診断・治療
- 水晶体が濁ることによる視力低下やまぶしさに対する診断
- 手術の適応判断および術後管理
緑内障の検査・経過観察
- 眼圧測定や視野検査による緑内障の早期発見
- 点眼治療による進行予防
飛蚊症・網膜疾患
- 飛蚊症(目の前に浮遊物が見える症状)の原因精査
- 網膜剥離や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの網膜疾患の診断と経過観察
小児眼科
- 小児の視力検査、弱視・斜視の早期発見・治療
眼精疲労
- パソコンやスマートフォンの長時間使用による目の疲れや頭痛の改善
目の外傷・異物除去
- 目に異物が入った場合や外傷による治療
定期健診・健康診断
- 目の健康を維持するための定期的な視力検査や眼底検査
ご相談の多いよくある症状
目が疲れる
目の疲れには「疲れ眼」と「眼精疲労」の2つがあります。
疲れ眼は、目を酷使した結果生じる一時的な目の疲れです。例えば、長時間の読書やパソコン作業などで目を使いすぎた場合、目の充血や違和感、重だるさを感じます。しかし、十分な睡眠や休息をとることで自然に回復するのが特徴です。目を定期的に休める(例えば、1時間作業したら5〜10分、目を閉じたり遠くを眺める習慣をつける)ことで、改善します。ホットタオルや温熱アイマスクで目の周りを温めるのもおすすめです。筋肉をほぐし、疲労回復を促すことができます。
一方、眼精疲労は、目を休ませても疲れが回復せず、目の痛みや頭痛、かすみ目、視力の一時的低下を伴う状態です。回復しても、すぐにまた疲れを感じるのが特徴です。
- 目の痛みや頭痛
- かすみ目が続く
- 視力の低下が気になる
- ドライアイの症状が改善しない
- 日常生活に支障が出るほど目が疲れる
このような方は、なるべく早めに眼科を受診しましょう。
当院では、眼精疲労の原因を正確に診断し、患者さん一人ひとりに合った治療や生活アドバイスを行っています。目の疲れや不調を感じた際は、お気軽にご相談ください。適切な治療で目の健康を守りましょう。
眼精疲労の主な原因と対処法
屈折異常や調節異常
近視、遠視、乱視、不同視(左右の視力差)や、加齢による老眼(老視)により、目がピント合わせを過度に行うことで疲労が蓄積します。正しい度数の眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、目の負担を軽減します。度数が合わなくなっている場合は早めに調整しましょう。
ドライアイ
涙の量や質が不足し、目の表面が乾燥してしまう状態です。パソコン作業やエアコンの風、瞬きの減少が原因になることもあります。ヒアルロン酸点眼薬によって目の乾燥を防ぎ、涙の保護膜を補います。日常的にスマホやパソコンを使用する方は、まばたきを意識することが大切です。画面を凝視すると瞬きが減るため、意識的にまばたきを増やしましょう。 また、室内の加湿器を使用して適度な湿度を保つことも効果的です。
VDT症候群(パソコンやスマホの長時間使用)
長時間の画面作業による目の酷使が原因です。姿勢の悪さやブルーライトも影響します。1時間ごとに10分の休憩を挟む(例「20-20-20ルール」:20分ごとに20秒、20フィート(約6m)先を見る)と症状が軽減します。また、ブルーライトカット眼鏡や画面フィルターの使用など工夫することも重要です。症状が気になる方は、早めに眼科を受診し、目の疲れを和らげる点眼も相談してみましょう。
痛い・ゴロゴロする・赤い・充血する
目の痛みや違和感、充血は、軽度なものから重篤な病気までさまざまな原因が考えられます。特に「痛みが強い」「吐き気を伴う」「視力低下がある」場合は、すぐに眼科を受診してください。症状の早期発見・治療が視力を守るためには重要です。
当院では、専門的な診断機器を用いて迅速に原因を特定し、適切な治療を行っております。目に異変を感じた際は、どうぞご相談ください。
以下に具体的な原因と症状、対処法について解説いたします。
結膜の障害(結膜炎)
原因:
- 細菌やウイルス感染による結膜炎(感染性結膜炎)
- アレルギーによる結膜炎(アレルギー性結膜炎)
症状:
- 目の充血、かゆみ、痛み、目やにが多くなる
- ゴロゴロする違和感
対処法:
- 感染性結膜炎:点眼薬による治療が必要です。早期に眼科受診をおすすめします。
- アレルギー性結膜炎:抗アレルギー点眼薬で症状を和らげます。
角膜の障害
- 角膜びらん:角膜の表面に傷がつく状態。
- 角膜炎:感染や乾燥により角膜に炎症が起きる。
- 角膜潰瘍:炎症が進み、角膜に深い傷ができる重篤な状態。
症状:
- 強い痛み、涙が止まらない、まぶしい(羞明)、充血
- 異物感(ごろごろする感じ)
対処法:
角膜障害は放置すると視力低下につながるため、すぐに眼科受診が必要です。感染が原因の場合は抗菌薬の点眼を行います。
まぶたの炎症
- 眼瞼炎:まぶたの皮膚や毛根が炎症を起こす。
- 麦粒腫(ものもらい):まぶたの皮脂腺や汗腺に細菌感染が起こり、腫れて痛む。
- 急性霰粒腫:まぶたの脂腺が詰まり、炎症が急激に悪化する。
症状:
- まぶたの腫れ、赤み、痛み
- 目の違和感やゴロゴロ感
対処法:
- 麦粒腫:抗菌点眼薬や軟膏で治療。腫れが強い場合は切開することもあります。
- 急性霰粒腫:炎症が強い場合はステロイド治療や切開排膿が必要です。
逆さまつげ(睫毛内反症)
原因:
まつげが内側に向かって生えているため、角膜や結膜を刺激します。
症状:
- ゴロゴロする異物感、充血、涙目
- 角膜に傷がつき、痛みを伴うこともあります。
対処法:
軽度の場合はまつげを抜く処置を行いますが、再発を防ぐため手術が必要な場合もあります。
ぶどう膜炎・急性緑内障発作
- ぶどう膜炎:目の内部に炎症が起こる状態。
- 急性緑内障発作:眼圧が急激に上昇する重篤な病気です。
症状:
- 強い目の痛み、充血、視力低下
- 吐き気や頭痛を伴うこともあります。
対処法:
ぶどう膜炎や急性緑内障発作は緊急治療が必要です。視力障害を防ぐため、すぐに眼科を受診してください。
目の奥の痛み(眼精疲労)
原因:
長時間の目の酷使(パソコンやスマホ作業)や屈折異常、老眼などによる過度の調節負担。
症状:
- 目の奥が痛い、重たい感じ
- 頭痛や肩こり、かすみ目
対処法:
適切な眼鏡の使用、作業中のこまめな休息、目の体操や温罨法を取り入れることで改善します。
結膜下出血
原因:
結膜下の血管が破れて出血し、目が赤くなります。原因としては外傷、強く目をこする、くしゃみや咳、疲れや高血圧などが考えられます。
症状:
- 痛みや違和感はないのに白目が真っ赤になる
- 充血とは異なり、赤い部分がべったりとしている
対処法:
結膜下出血は自然に吸収されるため、多くの場合は心配ありません。数日から2週間程度で改善します。
症状が繰り返される場合は、原因を確認するため眼科を受診してください。
目やにが多い
目やに(眼脂)とは、目から分泌される涙や粘液、老廃物、外部からの異物(ほこりや細菌)などが混ざり合って固まったものです。健康な状態では、目やには白色または透明で、乾燥した少量のものが目頭付近に付着する程度です。特に睡眠中は涙の分泌が減少し、自然に分泌物が目の端にたまりやすくなります。
通常、目やには少量であれば健康な状態でも自然に発生しますが、量が増えたり色や性状が変わったりする場合、目に何らかの異常があるサインの可能性があります。
目やにが多い場合の注意点
- 目やにの性状を確認
黄緑色の粘り気のある目やに → 細菌感染の可能性が高い
サラサラした目やに → ウイルス性やアレルギー性の可能性
白色や糸を引くような目やに → アレルギー反応 - 自己判断せず眼科受診を
細菌性や角膜炎など感染性の疾患は放置すると重症化することがあります。
目の痛みや視力低下、充血が強い場合は早急に受診が必要です。 - コンタクトレンズ使用者は特に注意
不適切な使用や汚染が原因で角膜障害や感染を引き起こすことがあります。
症状がある場合はすぐにレンズを外し、眼科を受診してください。
目やには目の健康状態を示す重要なサインです。原因を正確に診断し、適切な治療を行うことで症状の悪化を防げます。当院では、細かい診察と必要に応じた検査で原因を見極め、患者さまに合わせた治療を行っております。目やにが気になる場合は、早めの受診をおすすめします。
目やにが多くなる原因
目やにが多くなる原因として、主に結膜や角膜の障害が考えられます。目やにの性状や伴う症状によって、原因疾患をある程度見分けることができます。目やにが多いと感じたら、一度ご相談ください。
結膜の障害(結膜炎)
結膜炎は結膜(白目を覆う薄い膜)の炎症で、目やにが多くなる代表的な疾患です。
- 細菌性結膜炎
- ウイルス性結膜炎
- アレルギー結膜炎
など、結膜炎の原因によっていくつか種類があります。
細菌感染(黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌など)によっておこる結膜炎を、細菌性結膜炎といいます。
- 黄色や黄緑色のネバネバした目やにが多い
- 目の充血や腫れ
- 目がごろごろする異物感
- 両目または片目に症状が出ることがある
以上のような特徴があります。細菌性結膜炎は、抗菌薬の点眼で炎症を抑えます。
アデノウイルスなどの感染(流行性角結膜炎)によって起こるものをウイルス性結膜炎といいます。
- サラサラした目やにが多い
- 強い充血、涙目、まぶしさ(羞明)
- 片目から始まり、両目に広がることが多い
以上のような特徴があります。
ウイルス感染は自然治癒が基本ですが、症状を和らげるため抗炎症薬の点眼が用いられます。感染力が強いため、手洗いやタオルの共用を避けることが重要です。
花粉やハウスダスト、ペットの毛などのアレルギー反応によって起こる結膜炎を、アレルギー性結膜炎といいます。
- 白色または透明な糸を引くような目やに
- 強いかゆみ、充血、涙目
以上のような特徴があります。アレルギー結膜は、抗アレルギー点眼薬でかゆみや炎症を抑えます。
角膜の障害(角膜びらん、角膜炎)
角膜(黒目の表面)が傷ついたり炎症を起こしたりすることで、目やにが増えることがあります。
角膜びらんは、外傷やコンタクトレンズの長時間装用、または乾燥などが原因で起こります。
- ゴロゴロする異物感や痛み
- 軽度の充血
- 涙目やサラサラした目やに
などの症状があらわれます。
治療法としては、角膜の保護と治癒促進のため、ヒアルロン酸点眼や抗菌薬を使用します。
角膜炎は、細菌、真菌、ウイルス感染やコンタクトレンズの不適切な使用などで起こります。
- 黄緑色の濃い目やに(感染性の場合)
- 強い痛み、充血、まぶしさ、涙目
- 視力の低下がみられることもある
などの症状があらわれます。
早期の治療が視力障害を防ぐため重要です。抗菌薬や抗真菌薬の点眼が行われます。
目がかゆい
目のかゆみは、さまざまな要因によって引き起こされます。目がかゆいと感じても、こすらないことが重要です。こすることで角膜を傷つけたり、炎症が悪化することがあります。また、症状が続く場合や強い充血、目やにが多い場合は、眼科を受診し適切な診断と治療を受けましょう。
目のかゆみの主な原因としては、アレルギーや感染症、目の乾燥、まぶたや角膜の炎症が挙げられます。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンが目に接触することで引き起こされます。症状には季節ごとに現れる「季節性」と、通年を通して症状が続く「通年性」があります。
感染性結膜炎
感染性結膜炎は、細菌やウイルス感染によって起こる炎症です。放置すると症状が悪化するため、早めの治療が必要です。感染力が強いため、タオルや手の接触に注意し、目をこすらないことが大切です。
まぶたの炎症
まぶたの炎症は、麦粒腫(ものもらい)や眼瞼炎が原因で起こります。抗菌薬の点眼や軟膏治療を行います。清潔な状態を保ち、まぶたをこすらないことが大切です。
ドライアイ
涙の量や質の低下により、目の表面が乾燥し、かゆみや不快感が生じます。特にデスクワークやコンタクトレンズの長時間使用者に多くみられます。
その他の原因
- 角膜の障害(角膜びらん・角膜炎):角膜が傷つき、強い違和感や充血、痛みが伴う。
- 眼精疲労:長時間のパソコンやスマホ使用による調節機能の負担。
- 逆さまつげ(睫毛内反症):まつげが目の表面を刺激し、かゆみや異物感が現れる。
目が乾く/ドライアイ
目の乾きにお悩みの方が多くなっています。特に現代社会では、デジタルデバイスの使用増加や室内環境の変化により、ドライアイの症状を感じる人が増えています。目の健康を維持するためには、適切な生活習慣の見直しや環境改善が重要です。
目が乾く主な原因には、
- 環境要因
- 生理的要因
- 生活習慣
などがあげられます。
環境要因としては
- パソコンやスマートフォンの長時間使用
- エアコンによる空気の乾燥
- コンタクトレンズの長時間装用
などによって、目が乾きやすくなります。
生理的要因は、体の自然な反応で起こるものです。
- 加齢による涙の量や質の低下
- マイボーム腺の機能不全
- 女性ホルモンの減少(更年期など)
などがあげられます。
生活習慣にも注意が必要です。
- 不規則な生活
- 睡眠不足
- ストレス
- 運動不足
- 喫煙
以上に心当たりがある方は、生活習慣の見直しを図りましょう。
※ 薬の副作用や自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)の要因により、涙の量が減少したり、涙の質が低下したりすることで目が乾きやすくなることがあります。なるべく早めに相談してください。
まぶたが腫れる
まぶたの腫れは、さまざまな要因によって引き起こされます。まぶたの腫れが 数日間続く、痛みやかゆみが強い、視力低下がある場合は、病的な原因が考えられるため、早めに眼科を受診することが重要です。適切な診断と治療により、症状の悪化を防ぎ、目の健康を守ることができます。
主な原因としては、結膜の障害、まぶたの炎症、アレルギー反応、感染症、そして日常生活の影響が挙げられます。
結膜の炎症による腫れ
まぶたの腫れは、結膜(白目やまぶたの裏を覆う薄い膜)の炎症や異常が影響することがあります。感染性結膜炎は、細菌やウイルスが原因で結膜に感染が生じます。アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、ダニなどアレルゲンに対するアレルギー反応です。
まぶたそのものに炎症が起こる場合も、腫れが目立つことが多くあります。
- 眼瞼炎:
まぶたの皮膚や縁に炎症が起こる病気です。まぶたの赤み、腫れ、かゆみ、フケのような皮脂の付着がみられます。 - 麦粒腫(ものもらい):
まぶたの皮脂腺や汗腺に細菌が感染し、腫れと痛みが生じます。赤く腫れ、触れると痛みを伴うことが多いです。 - 霰粒腫:
まぶたの脂腺が詰まり、慢性的な炎症が起こる状態です。痛みは少ない一方で、硬いしこりとして現れることが多いです。
麦粒腫は抗菌薬の点眼や軟膏が有効です。化膿が進んだ場合は切開排膿を行うこともあります。霰粒腫は炎症がひどい場合はステロイド治療や切開が必要です。
アレルギー反応とその他の要因
アレルギー反応や外的要因も、まぶたの腫れの原因となります。
- アレルギー反応:
化粧品や目薬、花粉などの刺激物に対する過敏反応。 - 虫刺され:
虫刺されによるアレルギー反応でまぶたが急激に腫れることがあります。 - 眼窩蜂窩織炎:
眼窩の組織に細菌感染が起こる重篤な疾患です。発熱や視力低下、痛みが伴います。 - 全身疾患:
甲状腺機能異常や腎臓病による体の浮腫が、まぶたにも現れることがあります。
アレルギー性の場合は抗アレルギー薬、虫刺されには冷やす処置や抗炎症薬が有効です。眼窩蜂窩織炎や全身疾患が疑われる場合は、すぐに専門的な治療が必要です。
日常生活での要因
生活習慣や環境の影響も、まぶたの腫れを引き起こすことがあります。
- 長時間のデジタル機器使用:
目の疲れや血行不良が原因で腫れやすくなります。 - 睡眠不足やストレス:
血流が滞り、まぶたがむくむことがあります。 - アルコールの過剰摂取:
体内の水分バランスが崩れ、むくみが現れやすくなります。
まずは十分な睡眠と休息を確保することが大切です。また、目元を温めたり冷やしたりして血行を改善すると効果的です。アルコールの摂取量が多い方は、見直しましょう。